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西澤諭志&鈴木光 上映プログラム

映画監督・映像作家・アーティスト・写真家:西澤諭志&鈴木光

(110分予定/2023年)

Filmmaker, Artist, Photographer: Satoshi Nishizawa, Hikaru Suzuki

Year of production : 2023, Country : Japan, Length : about 110 minutes


作品解説

EFCJメンバー鈴木光と西澤諭志は、長年取り組んでいた福島を舞台にした新作の完成上映(鈴木)と、撮りためているフッテージをまとめたパイロット版上映(西澤)による異色の二本立て上映を行います。(テキスト:石川)

2014年頃から、全国の公共施設だとか、慰霊碑などのモニュメント、政治的な軋轢が生じている催事などを取材なのか撮影なのか曖昧なまま点々と訪れてきました。それらは当たり前のような佇まいでそこに存在していることとは裏腹に、私たちに訴えかけるメッセージは非常にいびつだったり、全く別の主張が隣り合うように林立したりすることがしばしばです。コロナ禍と東京オリンピックが同時に訪れ、そういうちぐはぐさは更に露骨に目につくようになりましたが、見た目がきちんとして、楽し気であったりしさえすれば、ほとんどの人はそれをやり過ごしつつ受け入れてしまうことができるようです。現在制作中のこの作品は、そんな行く先々の公共施設やモニュメントなどが発しているメッセージを馬鹿正直に受け止めながら、それに釣られて色々な場所に移動していくカメラを主人公とする予定です。(テキスト:西澤)


2011年の東日本大震災の折、私は相馬と南相馬を訪れていた。それから数年間は、何度かその場所を訪れていたが、いつの間にか足が遠のくようになった。それから時間が経過し、2020年の11月に久しぶりに浜通りを訪れた。その際たまたま持っていたカメラでその場所を撮影したところからこの映画は始まる。その後、2023年3月まで、いわき、小高、楢葉、飯館、相馬、南相馬、浪江など福島県浜通り地方の各地を単発的に訪れ風景を撮影した。制作の途中で、そこで出会った、その「場所」を人間の「形相(顔)」と捉えて、ポートレイトとして撮影していこうと思った。また、編集では、風景を主役に、各場所で出会ったその地域のわずかな人々との交流によって生まれた小さな私自身の言葉を大切に、変動していく風景とともに作品内にちりばめた。そして、日記的に8mmで自身の家族を撮影したフッテージも要所要所に挿入している。(テキスト:鈴木)

Profile


西澤諭志[Nishizawa Satoshi]
写真家/映像作家 。EFCJメンバー。1983年長野県生まれ。カメラで記録した身辺の映像から、細部の社会的、経済的な側面へも目を向ける為の作品を発表。 主な展覧会に「西澤諭志展―写真/絶景 そこにあるもの―」(LIXIL Gallery2、2009)、「Parrhesia #013 西澤諭志[普通]ふれあい・復興・発揚」(TAPギャラリー、2018)、「クリテリウム98 西澤諭志」(水戸芸術館現代美術センター 2022)。 主な上映会に「西澤諭志特集:ドキュメンタリーのハードコア」(UPLINK、2017)。
https://satoshinishizawa.com/

鈴木光[Hikaru Suzuki]
EFCJメンバー。1984年福島県生まれ。武蔵野美術大学彫刻学科卒業。ベルリン芸術大学大学院映像学科卒業。第一回座・高円寺ドキュメンタリーフィルムフェスティバル・第7回恵比寿映像祭・イメージフォーラムフェスティバル2017・コラボレーション作品で山形国際ドキュメンタリー映画祭(2011, 2017)に参加。アートセンターオンゴーイングなどのアートギャラリーで個展も行っている。
http://hikarusuzukifilm.work/

Satoshi Nishizawa

Hikaru Suzuki

A member of “Experimental Film Culture in Japan”